【23】アメリカ世界の成立
(1)アメリカ13植民地の苦悩
(2)アメリカ独立戦争
(3)アメリカ合衆国の政治体制
米英関係良好→英・戦争で財政難→米に課税→米不満→独立戦争へ
(1)アメリカ13植民地の苦悩
ポイント①13植民地は「イギリス人」が生活する場所
政治的・経済的状況をみる
イギリスからアメリカへ移る(17C頃)
当初、英と米との関係は良好。
【13植民地(17~18C)東海岸】
・ヴァージニア植民地(南部)
最初の植民地。英ステュアート朝ジェームズ1世時。(※エリザベス女王時は失敗。)
・ニューイングランド植民地(東北部)
ジェームズ1世に迫害されたピューリタン(ピルグリム=ファーザーズ)がメイフラワー号で渡航しプリマスに入植。例はマサチューセッツ植民地など。
・ニューヨークの獲得
英が蘭の町ニューアムステルダムを奪って改名。
・ペンシルヴェニア
クウェーカー教徒
・ジョージア
13植民地の西隣には仏植民地がある
英風の政治、文化など
・植民地議会
イギリス議会を手本に13植民地それぞれに設置
・プランテーション(大農園)
米南部。黒人奴隷。商品作物を英に輸出。
ポイント②イギリス本国が13植民地におこなった理不尽
次第に反発を強める13植民地の人々
英と米の関係が悪化していく・・
本国イギリスは、重商主義政策
輸出先を増やしたい。VS仏。
↓↓
・フレンチ・インディアン戦争(1755~1763)
仏と先住民は撤退。13植民地のライバルがいなくなった。
イギリス本国は財政難に→北米植民地への課税を強化
・印紙法(1765)
書類・刊行物(新聞、教科書、婚姻届)など
「代表なくして課税なし」
(=「英本国に議員を送ってないのに、何で課税されるんだ」)
→印紙法は廃止
・茶法(ちゃほう)(1773)
英の東インド会社の販売する茶は免税。(英の会社だけに有利)
↓↓ 米市民が反発
・ボストン茶会(ちゃかい)事件(1773)
Boston Tea Party(Tea Partyを「茶会」と誤訳したが、本当はPartyは「仲間」という意味。茶法に反対した人々が起こした事件。)
先住民に変装し、英の茶を海に捨てる。
↓↓
英はボストン港を閉鎖
マサチューセッツ植民地の自治を剥奪。
↓↓
独立戦争へ・・
(2)アメリカ独立戦争
ポイント①いよいよ衝突!13植民地の独立戦争
イギリス本国軍と13植民地軍の衝突
・第1回大陸会議(1774)
開催地:フィラデルフィア
不当な課税を拒否。13植民地の通商断絶同盟の結成。
↓↓
【アメリカ独立戦争(1775~1783)】
・レキシントンの戦い(1775)
最初の戦い。レキシントンやコンコードにて。
↓↓
・第2回大陸会議(1775)
開催地:フィラデルフィア
植民地軍総司令官に、ワシントンが就任
しかし13植民地全体では意見がバラバラ・・(各3割ずつ)
国王派・・イギリス本国を支持
中立派・・戦争には否定的
愛国派・・独立支持派
↓↓
一つになろう!
2人のトマスが独立の機運を高める。
・『コモン=センス』(1776)(『常識』)
トマス=ペイン
独立の正当性と共和国建設の必要性を訴える
・「独立宣言」1776.7.4
起草:トマス=ジェファソン(3代大統領)
ロックの自然法思想に基づき「基本的人権」の尊重、「革命権」を主張
ポイント②戦局の転機!アメリカの独立成功!
次第に反発を強める13植民地の人々
13植民地を支援する国々の登場
・フランクリン(駐仏大使)
仏や各国に支援を求める
・サラトガの戦い(1777)
植民地軍が本国軍に勝利
↓↓
フランス、スペイン、オランダが植民地軍側で参戦
・武装中立同盟
ロシア・エカチェリーナ2世の提唱。参加しない。
露、普、スウェーデン、ポルトガル、デンマーク
→英は味方がいない。国際的に孤立。
→米の独立を間接的に支援。
・義勇兵の13植民地支援(ボランティア兵)
コシューシコ・・ポーランド出身、ワシントンの副官。
ラファイエット・・フランス出身
・ヨークタウンの戦い(1781)
植民地・仏連合軍の勝利が確定。最後の戦い。
(独立はレキシントンで始まりヨークタウンで終わる。)
【パリ条約(1783)】
・英は米の完全独立を承認。
・独立と同時に「ミシシッピ以東ルイジアナ」を英から獲得。
(3)アメリカ合衆国の政治体制
ポイント①アメリカ合衆国憲法をめぐる対立
各州と政府の関係をどうするか・・
独立後のアメリカは・・
アメリカ連合規約で制定
国名:アメリカ合衆国
各州で自治。政府は見守る程度で弱い。
独自の憲法、議会を持つ13州の連合体。
↓↓
しかしバラバラになってしまった。。
↓↓ 見直し。国としてまとまろう。
・憲法制定会議(1787)フィラデルフィア
議長ワシントン
もう少し13州の結びつきを強めよう。
↓↓
「アメリカ合衆国憲法」が作られる。
アメリカ連邦政府の権限を大幅に強化。中央集権的。
政府は強くなる。政府は「見守り」から⇒「統率」になる。
・徴税権、通商を規制。
・一方で各州には自治権も与える
・三権分立
立法権(議会)、行政権(大統領)、司法権(裁判所)
互いに独立して監視する。
近代的な憲法。仏・啓蒙思想家モンテスキューの影響。
対立トラブル
・連邦派・・政府強い。通商重視、親英的⇒共和党(トランプ)
・反連邦派・・政府弱い。農民、商工業者⇒民主党
ポイント②合衆国の初期の大統領
アメリカの発展はここから始まった
3人の大統領の時代に米発展の礎が築かれる
【初代・ワシントン大統領(任1789~1797)】
独立戦争の司令官
・国務長官ジェファソン(反連邦派)(3代)
・財務官ハミルトン(連邦派)
バランスを取った。
【3代・ジェファソン大統領(任1801~1809)】
・反連邦派の初の勝利
・ミシシッピ川以西ルイジアナを買収(1803)→領土を西に拡大
(川以東ルイジは独立時1783に獲得)
【4代・マディソン大統領(任1809~1817)】
・アメリカ=イギリス戦争(1812~1814)
(第2次独立戦争)
・英が海上封鎖で米の通商を妨害(政治的、経済的に妨害)
この間、英米間の貿易が止まる。
↓↓
・米の経済的自立が促進(米国内で自立)
・保護関税政策(1816)
米国内の初期産業を育成。
英の安い製品をシャットアウト。
⇒米がここから産業発展していく。