世界史【31】帝国主義の時代
31ーキーワード
(英)ディズレーリ(保)。インド帝国。スエズ運河+キプロス島。
(仏)第三共和政。
(独)ビスマルク⇒皇帝ヴィルヘルム2世。3B政策。
(露)第1次ロシア革命⇒十月宣言(ウィッテ)⇒社会主義の政党。ボリシェヴィキ(レーニン)、 メンシェヴィキ。
(米)カリブ海政策。米西戦争(25代マッキンリー)。棍棒外交(26代S・ローズヴェルト)。宣教師外交(27代ウィルソン)
31ーガイダンス
・欧米各国で帝国主義(植民地獲得)、労働運動が起こる。
(理由)
・第2次産業革命(19C後)⇒英以外の欧米。重化学・石油・電力。生産増大。独占資本が銀行と結びつく。
・1870年代世界的不況。⇒植民地(市場、原料供給、資本輸出)を求めて帝国主義へ。
31ー1 帝国主義イギリス
31ー2 帝国主義フランス
31ー3 帝国主義ドイツ
31ー4 帝国主義ロシア
31ー5 帝国主義アメリカ
31ー1 帝国主義イギリス
①英の方向転換
首相ディズレーリ(保守党)
自由貿易から⇒帝国主義(植民地獲得)へ方向転換。
インドへの道を確保(エジプトルートと南アフリカルート)
・スエズ運河株式買収、インド帝国の完成
・ベルリン会議への参加
キプロス島の統治権を獲得。=スエズ運河の真上の島。
植民地相:ジョゼフ=チェンバレン(保守党)
南アフリカ戦争。英の支配下においた。
・対外政策にお金を費やしたい。国内にお金を使いたくない・・。
↓↓
自由党内閣の時
・議会法の制定
上院・下院のうち、下院(一般市民の代表者)の優位を確立。
・アイルランド自治法
WW1で延期⇒イースター蜂起(シン・フェイン党も参加)
・自治領(白人が支配層の地域)を形成していく
カナダ⇒オーストラリア⇒NZ⇒南アフリカ
②英・労働運動
英・社会主義運動の高まり
・フェビアン協会
知識人中心。ウェッブ夫妻。劇作家バーナード=ショー。
改良主義的。ゆっくりでいいから改善。
↓↓
・労働代表委員会
選挙で議席数を獲得するまでに。
↓↓
・労働党(現在まで続く)
合法的。穏健。議会を通じて社会改革をめざす改良主義。民主的な手段。
31ー2 帝国主義フランス
①仏・第三共和政の混乱
・第三共和政(1870/71~1940)
二月革命(1848)の結果、王様がいなくなった。=第二共和政になった。男性普通選挙の実現。
↓↓
ナポレオン3世の第二帝政でまとまる。普仏戦争で捕虜に。
↓↓
第三共和政ができるが混乱。
・ブーランジェ事件
陸相ブーランジェ。反議会主義的運動。
・ドレフュス事件
ユダヤ系将校ドレフュスがスパイ容疑で逮捕。⇒冤罪だった。仏軍部が隠蔽。反ユダヤ感情をあおる。⇒国内世論が批判。エミール・ゾラ『私は弾劾する』⇒ドレフュスは無罪に。釈放。
↓↓
シオニズム
ユダヤ人国家を設立しようとする運動。
②仏・労働運動
社会主義運動。
・サンディカリズム
議会の否定。英のような議会ではなく、労働者による直接行動主義。(フランス革命のように自由平等は自分たちで勝ち取るんだ。)
↑↑(対立)
・フランス社会党(統一社会党 / 社会党)
議会を重視。社会主義派が結成。
31ー3帝国主義ドイツ
①ビスマルクの辞職
皇帝:ヴィルヘルム1世(ビスマルクが仕えていた)⇒フリードリヒ(病気で100日で交代)⇒ヴィルヘルム2世
・皇帝ヴィルヘルム2世⇒独も植民地を求めて外に出るべき。
・ビスマルク⇒外交でやっと収めたのに。反対。
意見衝突。⇒ビスマルク辞職(1890)
<ヴィルヘルム2世の対外政策>
・海軍の大拡張「ドイツの将来は海上にあり」⇒英と対立。
・パン=ゲルマン主義
パン=「広げる」の意味。ゲルマン人(ドイツ系民族)(オーストリア)との連携。⇒ロシアと対立。
バルカン半島→小アジア→ペルシア湾へ。独から東南方向。
・独・3B政策(さんびーせいさく)
ベルリン、ビザンティウム、バグダードを接続する。
バグダード鉄道の建設を考えた。⇒もし実現すれば海で英と対立。また、バルカン半島を狙うロシアとも対立する・・。
(cf英・3C政策。ケープタウン、カイロ、カルカッタ)
②独の労働運動
世界初の社会主義
・ドイツ社会主義労働者党
・社会主義者鎮圧法
ビスマルクは警戒し、この労働者党を非合法化した。せっかく統一したドイツが資本家と労働者に分裂するのを避けたかったから。⇒国が守ると主張。
ビスマルク退陣
↓↓
・ドイツ社会民主党
「復活のチャンスだ!」名前をこれに変える。マルクス主義理論を採用。暴力革命。
徐々にこちらへ
↓↓
・修正主義
ベルンシュタイン。議会を通じて社会主義化を提唱。改良主義。
(英の労働運動を参考にした。)
31ー4 帝国主義ロシア
①近代化で生まれた社会のひずみ
ロマノフ朝(皇帝独裁政治)
穀物を輸出して産業革命したい。⇒仏資本の導入。(露仏同盟)⇒産業革命の本格化
↓↓
・シベリア鉄道(1891)
中国方面に進出したい。全長9300㎞。
(ウラジオストク(東)からモスクワ(西)まで)
ペテルブルグ(西端)
中国東北をめぐって日本と衝突。⇒日露戦争(1904)
・血の日曜日事件(1905)
戦争反対の市民デモ。軍隊が発砲。ニコライ2世。
↓↓
・第1次ロシア革命(1905)
労働者中心に暴動・スト。
↓↓
都のペテルブルグで、ソヴィエト(評議会)が成立=各地の工場の代表者会議。
↓↓
戦争終結
・ポーツマス条約(1905)
戦争は終わったが革命は終わらない。
・「十月宣言」(革命を終わらせる)
首相:ウィッテ(民主的な、自由主義的な改革を行う)
・ドゥーマ(国会)を開設。
・憲法制定。⇒立憲民主党の結成。(お金をもっている人たち)
改革が落ち着くとウィッテは首になった。
↓↓
・ストルイピンの改革
ドゥーマ(国会)を解散。ミール(農村共同体)を解体。⇒国内は混乱。
②ロシアの労働運動
・ロシア社会民主労働党
2つの社会主義政党に分裂(この2つは労働者を代表)
↓↓
1. ボリシェヴィキ(指導者:レーニン)プレハーノフ
革命家による武装革命。(少数で一気に壊す。)
2. メンシェヴィキ
ブルジョワ民主主義革命。(多数でゆっくりで革命する。)
・社会革命党
ナロードニキの流れをくむ。こちらは農民を代表。
31ー5 帝国主義アメリカ
①世界第一位の工業生産数
1890年代。米が世界No1に。
一部の富裕層が独占。
↓↓
・カリブ海政策(20C初)
米がいよいよ外へ出ていく。
↓↓
・第1回パン=アメリカ会議
「アメリカの製品を買いなさい」。中南米(ラテンアメリカ)の国々に指導。
・革新主義
米国内では政治経済の独占を規制。経済自由化。
・フロンティアの消滅(1890)
白人入植者が全域に広がった。
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②カリブ海政策
二人の大統領が推進。マッキンリーとS・ローズヴェルト。
25代・マッキンリー大統領(任1897~1901)
・キューバ独立運動(1895)
キューバはスペインから独立を試みる。
↓↓
そんなときハバナ湾で米艦隊メイン号が撃沈。米はスペインのしわざとしてスペインに戦争をしかける。
↓↓
・アメリカ=スペイン(米西)戦争(1898)
カリブ海へ進出。中南米に影響力のあったスペインと戦う。
〇米 VS 西✕
↓↓
米はフィリピン、グアム、プレルトリコという西の植民地を獲得。
キューバを独立させて保護国化。
↓↓
さらに太平洋へも進出。
・ハワイ併合(1898)
(※米西戦争の結果ではなく単独で。)
・門戸開放宣言(1899)
国務長官 ジョン=ヘイ
中国市場進出をも狙う。門戸開放、機会均等、領土保全。
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26代・セオドア・ローズヴェルト大統領(任1901~09)
「カリブ海政策」を引き続き推進。
・「棍棒外交」(20C初)
口調は穏やかに、棍棒をたずさえて話す。(威嚇)
↓↓(例)
無理やりパナマをコロンビアから分離・独立
↓↓
・パナマ運河の建設(1904~1914)
中米と南米の間。カリブ海と太平洋を接続。
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③ウィルソン大統領時代の変化
28代・ウッドロー=ウィルソン大統領
・米国内「新しい自由」
弱者救済。
・対外「宣教師外交」
「アメリカと同じ民主政治をすればアメリカと同等に発展できるよ」
米風の政治を世界に伝える。それが米国の義務。
現在でも米は独裁政治を嫌う。世界へ干渉する口実。
・【32】世界分割と列強の対立
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・世界史タイトル一覧
<参考動画>
【トライイット公式】
・高校世界史B(映像授業)【31】□⇒
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