【28】19世紀の欧米諸国(3)文化史 – 歴史note

【28】19世紀の欧米諸国(3)文化史

【28】19世紀の欧米諸国(3)文化史
(1)文学
(2)芸術
(3)哲学・社会主義思想
(4)科学・技術


(1)文学
ポイント①形式的な美しさに対抗し、個性・感情を爆発!
古典主義とロマン主義

<19Cの文学>
古典主義・・形式的な美しさ。ギリシア、ローマ時代から続く。
・ゲーテ(独)『若きウェルテルの悩み』『ファウスト』
晩年は調和の取れた美しさ、典型的なストーリーに魅了される。

ロマン主義・・個性感情を重視。主観的
・グリム兄弟(独)(兄弟ともに言語学者)『ドイツ語辞典』(方言を集めた)グリム童話。
・ハイネ(仏)『歌の本』革命詩人。パリで七月革命を目にした。
・ヴィクトル=ユゴー(ユーゴー)(仏)『レ=ミゼラブル』虐げられる人々。
・バイロン(英)ギリシア独立戦争に義勇兵として参戦。

ーーーーーーーーーーーーーーーー
ポイント②客観性を重視した文学の潮流
できるだけ主観を排した結果、見えてきたものは?

写実主義(リアリズム)・・ロマン主義を否定。客観的
・スタンダール(仏)『赤と黒』仏・七月革命
・バルザック(仏)『人間喜劇』
・トルストイ(露)『戦争と平和』ナポレオン戦争中のロシア
・ドストエフスキー(露)『罪と罰』(露)
・ディケンズ(英)『二都物語』イギリスの下級社会。
↓↓
自然主義・・客観性+社会問題を重視。
・イプセン(ノルウェー)『人形の家』女性解放
・モーパッサン(仏)『女の一生』
エミール=ゾラ(仏)『居酒屋』ドレフュスの冤罪事件(仏政府を批判)


(2)芸術
ポイント①時代を彩る数々の名画が誕生
激動の19世紀の中で生まれた画家が見たものとは・・

<19Cの美術>
古典主義絵画(19C前)・・形式的な美しさ。
・ダヴィド『ナポレオンの戴冠式』

ロマン主義絵画
・ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』。仏七月革命。ギリシア独立戦争でギリシア応援。

写実主義絵画・・客観的にありのまま
・クールベ『石割り』。ナポレオン3世失脚後、パリ・コミューンにも参加。

自然主義絵画・・客観的、人間の内面、社会の真実
・ミレー『晩鐘(ばんしょう)』『落ち穂拾い(おちぼひろい)』

印象派・・戸外制作。光。
・マネ『草の上の食事』『笛を吹く少年』
・モネ『印象・日の出』『睡蓮』(↑↑マネに影響を受けた)
・ルノワール『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』

後期印象派
・セザンヌ『赤いチョッキの少年』『サン=ヴィクトワール山』
・ゴッホ(1853~1890)『自画像』『ひまわり』

ーーーーーーーーーーーーーーーー
ポイント②音楽だって時代を反映する!
その時代を象徴する音楽、出来事を風刺する音楽

<19Cの音楽>
バロック音楽(17C初~18C半)・・自由でダイナミック
↓↓
ドイツ古典派音楽(18C後~19C初)・・整然とした形式美
・ハイドン
・モーツァルト
・ベートーヴェン(集大成)
↓↓
ロマン主義音楽・・
感情を込める。
・シューベルト『美しき水車小屋の乙女』

・ヴァーグナー(ワグナー)『ニーベルングの指輪』・・ゲルマン民族の物語。楽劇。ヒトラーが愛した。

ショパン(1810~1849)『革命』・・仏・七月革命の影響で、祖国ポーランドが独立を求めてロシアに反乱、鎮圧された。(1830)ロシアへの怒りを込めてこの曲を作った。


(3)哲学・社会主義思想
ポイント①人々が時代に合わせて取った思考プロセスとは
よりよく生きるための方法を生み出す

<19Cの哲学>
ドイツ観念論(批判する哲学)(カントが始めて⇒ヘーゲルが完成)
ヘーゲル 弁証法哲学
「全てのものはある部分から見れば正しい、ある部分から見れば間違っている。」→2つを統合した新しい考え方→また反対意見がある→レベルアップしていく

↓↓ ヘーゲルの考えを応用

史的唯物論
・・「歴史の動き方」に法則を持たせる
マルクス(独)
エンゲルスとともに歴史の発展法則(動き方)を探求→社会主義

功利主義・・利益主義
・ベンサム(英)「最大多数の最大幸福」多数決
↑↑(反対)
・ジョン=ステュアート=ミル(英)「幸福の中身・質にも注目」

実証主義
・コント(仏) 社会学の祖。科学的な方法を哲学に取り入れた。因果関係を見つけていく。

実存主義
・ニーチェ(独・哲学者)「神は死んだ」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ポイント②資本家と労働者の対立をなくすための社会主義
空想から科学へ・・資本主義の矛盾を追及

<19Cの社会主義思想>
資本家と労働者の対立をなくす考え方・・社会主義

空想的社会主義
・ロバート=オーウェン(英)・・社会主義(労働者を助ける)。工場法の制定に尽力。→優しさだけでは根本的な解決にならない。
↑↑(批判)
科学的社会主義
マルクス(独)、エンゲルス(独)・・『共産党宣言』「労働者は革命を起こして、工場から資本家を追い出して、利益は労働者で分配すればいい」「万国のプロレタリア(労働者)よ、団結せよ」


(4)科学・技術
ポイント①経済学にもさまざまな考え方が登場
イギリスに対抗するために生まれた経済学

<19Cの経済学>
(経済学)
歴史学派経済学
リスト(独)・・英に対抗して保護貿易を主張。英は自由貿易を求めてくるが、英の思うツボだ。関税をかけて独国内を守ろう。
ドイツ関税同盟の結成。ドイツ統一に尽力。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ポイント②歴史の研究や法学研究にも新展開
合理的に歴史や法を研究する姿勢
<19Cの歴史・法学>
(歴史学)
近代歴史学
ランケ 史料批判を通して実証的・科学的に史実を求める。→現在まで続く。根拠、分析。

(法学)
・サヴィニー「歴史法学」の創始
歴史、民族精神に基づく法律の制定
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ポイント③世界の一体化が促進
地域をつなぐ電信・通信技術の発達

19Cの発明は現在まで直結。
<19Cの科学・技術>
(物理学)
・ファラデー・・電磁気学の発展
・マイヤーとヘルムホルツ・・「エネルギー保存の法則」を発見。ガソリンエンジン。
・レントゲン・・X放射線の発見。第1回ノーベル物理学賞。

(化学)
・キュリー夫妻・・ラジウム、ポロニウムなどの元素を発見。

(生物)
・ダーウィン・・『種の起源』進化論を発表。人は猿から進化した。

(医学)寿命が伸びることに貢献
・パストゥール・・狂犬病の予防接種
・コッホ(独)・・結核菌・コレラ菌を発見

(技術・発明)
・ノーベル・・ダイナマイトを発明。
・モース(モールス)・・電信機。モールス信号。
・ベル・・電話機。
・マルコーニ・・無線電信。
・エディソン(米)・・「発明王」。蓄音機(録音)。白熱電灯。映画(映写機)。


世界史タイトル一覧